唐突にこんなこと言って
ごめんなさい、あ…っ
こんにちは、職業心理カウンセラーのきくのすけです。
皆さんは何かあるごとに「すみません」や「ごめんなさい」を口にしていませんか?
「ごめんなさい、ちょっと通してください」 や
(電話を切る時など)「スミマセン、失礼いたします」など、
ほかにも、何か言い争いや意見の違いが生じた際に、自分が折れることで、その場が収まるなら、などと考え安易に「ごめんなさい」で片づけていませんか?
それ、問題解決になっていませんよ
謝罪とは本来”自らの非を認め、相手に許しを請う”行為であり、感謝や注意喚起、はたまた別れ際に使うのは不適切な表現なのです。
このコラムでは
- 「スミマセン」が口癖になってしまっている人の特徴
- 「スミマセン」を言いすぎることの弊害
- 謝り癖を直す方法
について、具体例を交えつつ述べていきます。
「スミマセン」が口癖の人の特徴
①自信喪失さん
謝罪の言葉が口癖位になってしまっている人は、自らの行動に自信がない人が多いです。具体的な自分の行いについて謝罪しているのではなく、自分に自信がなく、自分を防御するための手段として条件反射的に行っている行為です。すぐ謝罪してしまう理由として挙がる最有力が「相手を不快にさせたくない。」ですが、これは言い替えれば”嫌われたくない””傷つきたくない”という自己防衛の現われで、取り敢えず謝っておけば少なくとも攻撃はされないだろう、というマインドでいるのが特徴です。
②「いい人」でありたいさん
謝罪は相手に正当性があると認識させる方法、つまり「私はあなたの敵ではない」という思いを表現するため、自らへりくだり、相手を上げることで、相手に攻撃されないように、と無意識で反射的に行う行動が習慣の中で身に付いたものと考えられる。
③自称コミュ障さん
自分の意見が上手く言語化できず、「あー、まぁ…うん、ごめん」のように口を継いで謝罪が出てきてしまう人は、自分を上手く表現できていないこと、考えをまとめて言語化できないこと、またこれらの時間の使い方について相手に気を使っているつもりになって、それらを発言している可能性が高いです。
どれか一つにでも当てはまるなら、あなたは謝り癖を発症してしまっているかもしれません。
スミマセンを言い続けると…
謝り癖を放置していると様々な弊害を引き起こします。上記の3特徴ごとに見てみましょう。
①自信喪失さんタイプ
このタイプは気の弱い人、何を言っても強く言い返してこない人と認識される場合があり、相手を都合よく利用しようとする人間や、他者からの搾取を第一に考えるテイカータイプの人間が寄ってきやすくなります。
②「いい人」でありたいさんタイプ
へりくだりがすぎるこのタイプは、ゴマすり、媚びを売っているようにみえるなどの印象を与え、謝罪した相手自身だけでなく、周囲からの印象も悪化させることになります。
③自称コミュ障さんタイプ
相手に気を使って謝ってしまうタイプは、謝罪の相手に「私って威圧的なのかな?」「なぜこのタイミングで”スミマセン”なの!?」と相手に無用のストレスをかけ、気疲れさせてしまっている可能性があります。
謝り癖を治す方法
- 相手に不快な思いをさせたくない
- 周囲と仲良くやりたい
- うまく協調したい
という心優しい考えのもと、取っているはずの行動が、いつしか
- 周囲に攻撃性の高い人を呼び寄せる
- 相手やチーム全体の雰囲気を悪化させる
- 気疲れさせる
などの弊害を引き起こしてしまう。これが謝り癖であり、海外でも”Sorry Syndrome”と呼ばれ、現代の社会問題にもなっています。謝り癖は治療できるのでしょうか?
心配ご無用!
次の5ステップで段階的に「スミマセン」を減らすことで対策できます。
STEP1:自らの「謝り癖」を認識する
こんなサイトにたどり着いたくらいなので、言わずもがなかもしれませんが、まずは自分に「何かにつけて謝ってしまう」特性があることを認識することがスタートラインです。そして、なぜ謝り癖があるのか、どうして身に付いたのかを深く考え、心の中を探ってみましょう。原因は人によって様々です。幼少期に他人に褒められることが少なかった、ダメな子だと言われ続けた、健全な自尊心の発達が不足していることによる自己評価・自己肯定感の低下。はたまたアスペルガー症候群特有の白黒思考が影響しているのかも。
しかし過去に原因を見出したとしても、過去は過去、もはや変えることのできない事実でしかないのです。思い悩んだり、誰かを恨むのは無駄無駄です。
今まさに、”すぐ謝ってしまうマン”としての自分が居て、これを変えたいと思っている!
自分の立ち位置を認識することが、第一歩です。
STEP2:「ごめんなさい」の正しい意味を理解する
冒頭で述べた通り、「ごめんなさい」は”謝罪”であり、これは「自らの非を認め、相手に許しを請う」言葉であることを再認識しましょう。謝罪は自ら行った”具体的な行為”の正誤に対して行われるべきで、何となく言う言葉としては不適切です。そして今後このコトバを使う(または、つい使ってしまった後)「私は今のシチュエーションで謝罪の意図があったか?」を自問し、使うべき(だった)か否か、考えるクセをつけてみましょう。初めは無意識に条件反射的に使ってしまう場合もあろうかとは思いますので、言ってしまったアトでも一つ一つ振り返ることが大事です。
STEP3:自分の「ごめんなさいトリガー」を探索する
自分が「ごめんなさい」と口にしているということは、相手が居て、何か会話をしている、ということはわかりますよね?それはどのような状況だったのでしょう?
どんな場面で、どんな相手に、どんな内容で
「ごめんなさい」と言ったのか。またその時,
どんな不安や恐れを感じていたのか?
謝ることで何を得たいと考えていたのか?
- 自分を守ろうとしての発言
- 嫌われないように気遣いして
- 相手との関係をスムーズに運びたくて
- その場を心地よく過ごしたくて
これらの目的が「ごめんなさい」で本当に達成されているか、自分の望む現実が手に入っているかを冷静に、客観的に振り返ってみましょう。
もし自らの希望が達成されていないとしたら、そのトリガーは間違ったものとして二度と引かないと決心をするべきです。
STEP4:「スミマセン」を違う言葉で言い換える。
癖(くせ、クセ)とは、人が無意識のうちに、あるいは特に強く意識することなく行う習慣的な行動のこと、とされていますので「意識的」に変えていく必要があります。
・何かをやってもらった時、親切・施しを受けた時
「ありがとう」に言い換える。
・何かをお願いする時、言いづらいことを切り出す時
「ちょっとお願いがあるのですが、いいですか」「お時間よろしいでしょうか」に言い換える。
・相手との意見の相違がある時
「そういう考えなのですね」、「なるほど」に言い換える。
すぐに謝罪してしまう「謝り癖」で人間関係は良くならない、ことを理解する。
謝り癖は、行動に自信がない、いい人に見られたい、コミュ力に不安がある人が陥りやすい無意識の行動で様々な弊害を生むので、「意識的」に言い換えていく必要がある。
いかがでしたか?私も以前はこの謝り癖のせいで、若いころは気弱な性格に見られ、ストレス発散のはけ口にされたり、ぺこぺこするせいで「あいつはゴマすり野郎だ」と陰口をたたかれ、部下を持ってからは、なんか気を遣わせられる上司だ、と周囲から敬遠される日々でした(しかも、何故そうなのかわからないまま)。
この特性は、なかなか自分では気付けないもの、そしてたとえ気付いたとしても、容易に認めることはできないもの、大変厄介です。
…実際私も、
妻に指摘される⇒そんなはずあるかっ!と否定する⇒冷静になって考えてみる(思い当たるフシがある)⇒色々調べてみる⇒自覚する というプロセスが必要でした。
冒頭にも書いた通り、何をおいても最初にすべきは
「自らに謝り癖がある」と認識する
ところからがスタートです。
ここでその事実を知ることができた皆さんは、今日、まさにこの瞬間から、自分を変えていきましょう。
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