おつかれ。
このまえは、日本語の「しっとり」ってどんな状態か説明できるか?って話をしたのを覚えてるかい?
言語化って大事だよな。どんな思いも、考えも、コトバにしなくちゃ伝わらない。
だれもアンタが思ってるほど、アンタのことを気にしちゃいねぇ、ってことさ
きくのすけ
言語化の大切さがわかってきたところで、そういえば…
食べ物の「コク」って知ってるよな?「コクが深い味わい」とかいうヤツ。アレってなんなんだろうな?説明できるかい?
きくのすけ
ぼーっと生きてちゃあ、イケナイぜ
「コク」ってのはな、
脳がグルタミルバリルグリジンを感じた時の感覚
なんだぜ。
人は食べ物を食べた時、甘味、苦み、塩味、酸味、うま味の5つを感じますが、この中にコクという味はありません。味だけでなく、香り、食感、喉ごし等々の余韻が同時に絡み合うことを我々日本人は「コクがある」と表現していました。
しかし最新の研究で「コク」を生み出しているのが、グルタミン酸とバリン、そしてグリシンの化合物である「グルタミルバリングリジン」であることが明らかになりました。食材や調味料の中にこの「グルタミルバリングリジン」があると、調理の過程で糖や油などと結びつき、同時に様々な味や香りを感じさせる状態を作り出すことがわかってきました。ただし、グルタミルバリングリジン自体にはほとんど味がなく、コクを引き出し、感じさせるだけ、ということがわかっています。
だから「「コク」ってどんな味?」と聞かれたら、
きくのすけ
味じゃあないんだよ。パッションさ。
が模範回答だな。
それでもまだしつこく聞いてくる輩には、こう返してあげるといいぜ。
きくのすけ
だからさ、グルタミン酸のγ位カルボキシ基とバリンのα-アミノ基が縮合してアミド結合を形成している水溶性で無味無臭のトリペプチド化合物なんだよ。
と答えるんだぜ。
それ以上詳しくは味の〇食品社に聞いてくれ。
じゃあな。